【5月3日よりYouTube公開致しました!】2014.5.6
英語版・ハングル版完成、全編無償公開しました。同時に日本語版も全編無償公開と致しました。
伊藤真さんのビデオを、法学館の理解を頂きYoutubeにアップロードしました。それぞれDVD版の販売も継続しております。
ネット公開版は画質がDVD版に比べ低解像度になりますが、学習会やミニ上映会などにご利用頂けますと幸いです。また、これまで500円にて購入していただきました方々、現況を勘案してのことですので、何卒ご了承ください。(2014.5.6)
日本語版 http://youtu.be/5X69Fq_DxWM
韓国語版 http://youtu.be/NvaA4S2ygO0
英語版 http://youtu.be/Ujb_AwvYu-k
【会員による海外活動】2014.12.1
11月会議で下記報告がありました。
・韓国で開かれた「平和と正義委員会」で、当会メンバーがアピールの場を頂き、会のアジェンダには盛り込むことになりませんでしたが、DVDを資料として積極的に紹介頂くこととなりました。
・当会メンバーが、ドイツで開かれた「国際融和会(本年100周年!)」において、DVD英語版多くの著名人に紹介しました。
・当会企画販売のDVD英語版を、韓国やドイツなどの、ジャン・ユンカーマンさん、ニコル・ゴードン弁護士(ベアテさん長女)、アン・ライトさんなどに寄贈致しました。
【韓国の「国民日報」一面に「ハングル板DVDについての記事が掲載されました】2014.5.6
以下、関澄子様に日本語訳していただきましたものです。
国民日報 2014年2月12日付
“平和憲法の改正は日本の長所を捨て去ること”
30年間以上平和憲法の価値を伝える先頭に立つ伊藤 真弁護士
「負けている野球の試合で9回裏2アウトの状況」これは安部晋三首相が2012年に再登板した後に日本の市民社会に対しての憂慮を交えた表現で、彼が自民党政権の数にものを言わせて、憲法が謳っている日本国憲法の改正(と言う好機)に強烈なドライブをかけているためだ。今、日本国憲法は再考の危機に立っていると言っても過言ではない。この30年間日本の憲法の価値を伝え守るために心血を注いできた伊藤真氏(56)の話を聞いてみた。インタビュ-は去る(2月)5日の午後国際電話で約1時間行ったものである。
インタビュア- 首席論説委員 趙 容来
安部総理を初めとする保守右派議員たちの攻勢が激しくなるにつれて日本の市民社会も憲法9条をはじめとする平和憲法を守るための努力に拍車をかけている。伊藤弁護士もその中心人物の一人である。伊藤氏は平和憲法の価値を伝えるため20年間日本全国を回りながら講演を行ってきた。このことに関して、主婦たちが中心となった市民運動グル-プ“平和のための働きびと”(Workers for Peace WFP)はもっと多くの日本市民・国民に平和憲法の価値を知らせたいとの願いから昨年4月に伊藤弁護士の憲法講演を収録しDVD制作・配布を行ってきた。(Workers 4 Peace.org)
WFPは、平和憲法を守ろうとすれば韓国をはじめとする東アジアにおける市民社会との連帯も欠かせないと考え、まず伊藤氏の憲法講演のDVD韓国語版を作った。韓国語版制作記念集会は今日14日東京で開かれる予定だが、今回のインタビュ-はこれに先立って平和憲法の意味と憲法改正への反対運動のこれからの展望について進められた。
憲法は国家権力が守らねばならないもの
「憲法講演において核心的に扱う内容は何か?」
まず、憲法と法律の違いから話したい。よく憲法は法律の中で最高位の大将のような法律だと考えやすいのだが、法律と憲法はその方向性が本質的に違う。法律は国家が作り、国民の自由を制限することが焦点であるのに対して、憲法は国民の自由を守るため、国家や権力を制限して縛るためのものである。法律は国家が国民に向かって、「守れ」と言うのに対して憲法は国民が国家に向かって「守れ」と言う構造である。
「立憲主義の意味も憲法に関連していることなのか?」
その通りだ。私が講演で2番目に強調する内容であるが、国家の権力行使を憲法によって制限することを立憲主義という。今日、民主主義国家体制の下で国民が選んだ政治権力、民主主義に基づいた政治といえども国民一人ひとりの、個人を尊重しない事態が引き起こされれば、当然ブレ-キをかけなければならない。憲法は国民が守らなければならない最も基本的法律ではなく、むしろ国民個々人の人権をまもるために国家権力が必ず守らねばならない法である。
「立憲主義の立場からすると日本国憲法の特徴とは何か?」
今日大部分の国家は立憲主義を重視している。国民一人ひとりを尊重する憲法体系を運用すると言うことであるが、これに関連して日本国憲法は9条で明記している徹底した非暴力平和主義を中心的価値として宣布している点が、特徴的である。すなわち、戦争放棄、軍事力不保持、交戦権の否認を強調しているように、万一日本政府や多様な政治勢力がこれらを棄損しようとすれば、この条項に基づいてそれらの権力を制約できる根拠を提供しているのである。
立憲主義を無視する自民党憲法草案
「自民党が憲法改正を叫ぶ理由も立憲主義を意識していると言うことか?」
事実、自民党憲法改正草案は立憲主義の本質を根本的に無視している。憲法を守るべきは国家権力でなければならないのだが、自民党案は逆に国民の義務条項を多く作っている。
「日本の保守右派は日本国憲法が公布された時から改正を主張してきたが、最近改正の主張がまた具体的に出てきた理由は何か?」
自民党は1955年党が船出した時から改正を党是の第一目標にしてきたほどに、彼らにとって憲法改正の主張は、まさに党是のDNAのようなものなのだ。それでも、特に最近になって憲法改正がぐんと取り上げられているのは、まず脱冷戦後から米国が日本に対して軍事的貢献を強く要求しているからである。次に中国の存在感が大きくなっている状況を平和の危機的変化だと煽り、同時に保守政治家たちがこれを上手く利用している点も無視することは出来ない。
「自民党草案と平和憲法の違いは?」
大きく4つのことに要約できる。まず、最初に自民党草案は平和憲法の立憲主義を大部分否定している。2番目に、国防軍の設置、さらに交戦権を保有するなど、平和憲法9条の非暴力・平和主義を否定している。3番目に天皇を元首に格上げすることで以って国民主権の主張を後退させた。4番目、人権保護問題が事実上形骸化されている。
「人権保護の形骸化とは何を意味するのか?」
例えば、自民党憲法草案12条の最後の部分は「国民の権利と地位(草案では‘自由’訳者)は、常に公益と公共の秩序に反してはならない」となっている。これは非常に危うい表現である。「公益と公共の秩序」は国家が法律で定めたことだから、国家が法律を以って秩序維持の基準を強化すれば、集会、結社などの自由の棄損は火を見るよりも明らかである。義務規定の多い憲法の限界がこのように現れるのである。人権保護の形骸化とは 人権の保護はうわべでは漏れなく定められているように見えるが、実情は穴だらけの状況で、変質出来るという意味である。
普通の国と言う一般論の落とし穴
「憲法改正の問題を取り巻く幾つかの疑問がある。最初に9条の改正で日本は戦争の出来る国になると言うことが、市民社会の大きな怖れであるが、改正されれば安部政権は本当に戦争を始めるだろうと見ているか?」
過去のような日本単独の侵略戦争が起こると言うことではない。核心は日本が米国の要請によって戦争に巻き込まれる可能性が大きくなりうると言う点である。それだけでなく、地域内の中国、北朝鮮などとの紛争による衝突の危険が大きくなる点も心配される正念場だ。
「日本の保守政治家たちは‘日本も普通の国を目指さなくてはならない’と言う主張を繰り広げている」
今の日本が、個々人が尊重され立憲主義に立脚した法体系が機能すると言う意味であれば私は当然賛成だ。しかし、平和憲法が言っているところの価値は戦争を放棄して軍隊を持たないというところに焦点が在るので、少なくとも平和問題にとっては既存の他の普通の国の路線は従わないということである。彼らが言う普通の国が軍隊を保有し、交戦権を行使することなら、そのような普通の国は追い求めなくとも良い。否、追い求めてはいけない。平和憲法が主張する恒久平和主義は戦後日本だけが大切に保って来た日本固有のブランド(Japan Brand)なのだ。それは日本産の米が美味しかったり,電器製品が使いやすいと言う高評と同じように日本の長所であると同時に強みであったのである。これを変えるということは、戦後70年近く守ってきた日本固有の長所を捨てることに他ならない。普通の国と言う一般論の落とし穴に落ち込んではならない。
憲法改正を食い止めるなら市民の連帯が不可欠
「憲法改正の必要性を主張するこれらの人びとはひょっとしたらあるかもしれない周辺地域内の軍事事態に対応するためにも憲法9条の改正が必要だという当為論を広めている。これに対しての反論は?」
個人的には自衛隊の存在を違憲としてみているが、自衛隊の必要性を主張するこれらの人びとは緊急事態を念頭に置かなければいけない、という論理を展開してきた。今までこれらの人びとが主張してきたように、自衛隊があったから専守防衛が可能だったのではない。そうでなかったなら、自衛隊はそもそも誰のための物だったのか、等々明確に批判したい。既に専守防衛が進められている状況で、そもそも交戦権など必要な理由は何なのかと言うことになるだろう。米国のJohn W. Dower、マサチュ-セッツ工科大学(MIT)教授は、映画「日本国憲法」で「日本が隣国に対して過去の歴史に対する謝罪を渋っているのは明らかに問題であるが、最も確かな日本の謝罪は憲法9条の精神を守ることである」と語っている。ところが、今その9条の精神が危機に瀕している」。その通りだ。 実際激しい圧迫が続いているが、結局は国民・市民が平和憲法の強みにはっきりと目覚め、力を集めて阻止するしかない。平和憲法に対して国民・市民皆がもう少し意識を新しくしっかり持ち、これを守ってゆくきっかけをどうしても作らなければならないと思う。特にこの問題は単に日本国内だけの問題ではなく、隣国の国民・市民、平和を愛する全ての人びとの関心事だと考える。
憲法9条は国際協約
「今回韓国版DVDを作った背景もそのためか?」
平和憲法は日本だけの問題と考えがちだが、実際、憲法9条をはじめとするその内容は日本が敗戦後国際社会の一員として認められるために準備した国際協約と同じ意味を持つ。従って、この平和憲法を守ることは日本だけの問題ではない。これを守るか、守れないかと言う問題は日本が国際社会との信頼関係を作り上げる根本なので、日本の市民社会はこれを守るための努力をしており、同じように周辺諸国と同様に国際協約としての日本国憲法を守るために力を結集する必要がある。
「韓国の市民社会が日本の憲法改正について取り上げることは内政干渉ではないだろうか?」
全くそのようなことはない。むしろ、韓国をはじめとする周辺諸国は「約束を守れ」と要請しなくてはいけない。平和憲法に込められた精神は日本だけが追求すべき価値ではない。地域内は勿論、東南アジア、ひいては世界に広がって行くべき人類の主張にならなければならない。平和主義に立脚し(周辺)地域内で軍縮を通して、緊張を緩和し、核武装をしないように導くことが非常に重要である。
「日本の平和憲法が(周辺)地域内の重要なガイドとして機能出来ない原初的背景もあるのではないだろうか?」
過去の戦争について日本のハッキリした反省が欠如している点が問題である。過去の侵略に対する認定、謝罪と賠償などが確実になされたなら平和憲法の価値を共有することはたやすかったはずなのに、そうでなかったことが残念だ。しかしながら、平和憲法は今もなお日本と国際社会が結んだ「協約」であるから守っていかなければならない。
「特に安倍政権以後、韓・日関係は悪化の一途を辿っていないだろうか?」
政治・外交的に両国関係が悪化して揺らぐ時こそ、いっそう民間の交流と協力が重要である。平和憲法を守るために韓・日の連帯こそ必要な事ではないかと思う。「憲法を守る人」の主張は揺るぎなかった。平和憲法改正を阻止することは市民社会の関心がそれだけ切実だと言うことである。
キ-ワ-ド 日本国憲法9条
日本国憲法9条は1項で「戦争放棄」を宣言し、2項では1項の目的を達成するため軍事力不保持と交戦権否認の内容を盛り込んでいる。これは日本国憲法が徹底した恒久的非暴力・平和主義を追求する「平和憲法」と呼ばれる具体的な理由であると同時に日本の非武装に確実な論理的な根拠を提供している。
写真右上 平和憲法の伝道師・伊藤真弁護士が法律専門学校 伊藤塾で新入生たちに「あなたの夢が誰かの希望になることを願っている」と言うテ-マで講演している。彼はインタビュ-で「日本には安倍総理のように強引な主張をする人ばかりいるわけではない」と話している。
左下 日本の市民運動グル-プ Workers For Peace が最近作った伊藤弁護士の憲法講演 韓国版D VD。 韓国語版制作記念集会は今月14日東京で開かれた。
伊藤真弁護士の紹介
東京大学法学部在学中の1981年 司法試験に合格して以来、日本国憲法の意味、すなわち平和憲法としての価値を学生たちをはじめとして、一般市民に伝えることを一世一代の事業として行ってきた。大学時代に日本国憲法の非暴力平和主義に強く引かれ、この仕事を続けて行こうと決心した、と言う。
1995年からは法律専門学校 伊藤塾を設立して日本社会のエリ-トとして成長する予備公務員・法曹人たちに日本国憲法の特徴を教える一方で全国各地を回って「伊藤弁護士の憲法講演会」を年100回から150回行ってきている。講演に専念するため彼は95年5月から2007年12月まで弁護士を休業。 これまでに講演を聴いた人の数は10万人に達する。
伊藤弁護士は講演の依頼が来ると聴衆が多かろうと少なかろうと何処へでも駆けつけて平和憲法の伝道師としての役割を果たすことを惜しまない。司法試験合格後、判事 検事の道もあったが、何故 弁護士の道を選んだのかと言う問いに「より多くの人々に平和憲法の精神を知らせるためには弁護士の道がより適していると考えたから」と答えた。事ほど左様に彼につけられたニックネ-ムもその一路人生にピッタリのものだ。例えば日本で「憲法の伝道師」と言えば、まさしく伊藤弁護士を指している。ドキュメンタリ-映画「日本国権法」のジャン・ユンカ-マン監督は伊藤弁護士に対して、ためらわず「ミスタ-憲法」と呼ぶ。
キ-ワ-ド
▲東京大学法学部卒 ▲弁護士 ▲伊藤塾塾長 ▲「一人一票実現国民会議」発起人 ▲著書として「憲法の力」、「何故、今改憲なのか」、「中高生のための憲法教室」 など多数
(訳出 関 澄子)
【緊急拡散希望】 海外からDVDの依頼殺到!英語・ハングル版翻訳者etc.急募!!!
*急募は以下スタッフ(注1参照)です。
① 英語版のカラーチラシの翻訳・吹き替え作業・DVD完成作業
② ハングル版のカラーチラシの翻訳・吹き替え作業・DVD完成作業
今年の広島と長崎を訪れた、オリバー・ストーン監督の、来日企画から同行通訳もされた、「バンクーバー九条の会」より、英語版を是非送って頂きたいとの依頼が入りました。
更に、韓国の(聖公会・9条の会、カトリックなど)よりハングル版をほしい旨の依頼も入りました。
ハングル訳は、急遽、韓国民主化運動をした韓国聖公会の牧師(元立教大学チャプレン・現韓国聖公会首座主教秘書)が、ハングル訳を引き受けていただけることになりました。
当初より賛同頂き「何でもしますよ」と言って頂いている、ニコル・ゴードン弁護士(ベアテ・シロタ・ゴードンさんの長女)さんが、アメリカでベアテさんの精神を繋げるファンデーションを開き活動を広めています。英語版を送りたいと思っています。
・9条世界会議in関西(14~15日)
・ピースボート洋上(9条)の旅(10月中~下旬)
・WCCの大会in釜山
などが開かれます。
DVDを世界に広げる動きに向けて突貫工事中です!
改めて、*急募は以下スタッフ(注1参照)です。
① 英語版のカラーチラシの翻訳・吹き替え作業・DVD完成作業
② ハングル版のカラーチラシの翻訳・吹き替え作業・DVD完成作業
お心当たりのある方、是非宜しく御願い致します。
市民グループ「Workers For Peace」
E.mail w4pinfo@workers4peace.org
URL https://workers4peace.org/