『デジタル監視6法案の制定に反対する市民団体共同声明』に賛同します。

『デジタル監視6法案の制定に反対する市民団体共同声明』に賛同します。

 

今月5月中旬にも、参議院内閣委員会でデジタル庁設置などに関わるデジタル改革関連法案(デジタル監視法案)が採決されようとしています。当会は、共謀罪 NO! 実行委員会/「秘密保護法」廃止へ!実行委員会/NO! デジタル庁/許すな! 憲法改悪・市民連絡会/デジタル改革関連法案反対連絡会 呼びかけの『デジタル監視6法案の制定に反対する市民団体共同声明』に賛同します。

 

ワーカーズ・フォー・ピース

2021年5月1日

 

[声明全文]

 

市民団体共同声明

基地訴訟原告団の個人情報の民間への提供策動許さない!

市民のプライバシー、個人情報を侵害する

デジタル監視6法案の制定に反対します

呼びかけ団体

共謀罪 NO! 実行委員会/「秘密保護法」廃止へ!実行委員会/NO! デジタル庁/許すな! 憲法改悪・市民連絡会/デジタル改革関連法案反対連絡会

 

 

訴訟すれば、個人情報が民間への提供の対象に!?

414日の参議院本会議におけるデジタル監視5法案(1法案は衆議院で審議中) めぐる審議でおよそ考えられない事態が田村智子議員(共産党)により明らかにされました。なんと防衛省が保有する横田基地訴訟原告団の個人情報が個人が特定できないよう加工して民間が利用できるように提供する対象とされていたのです。確かに行政を対象とする行政機関個人情報保護法には「行政機関非識別加工情報」(ビックデータのこと)の規 定が設けられ、民間への提供ができるとされています。しかし、一体誰が基地訴訟原告団 の個人情報がこの対象にされるということを想像していたでしょうか。こうした現実は、 原発や環境問題など様々な訴訟の原告の個人情報も民間に提供される対象にされているの ではないかという疑いを持たせます。これは市民の自由な生き生きとした活動を萎縮させるものであり、断じて容認できません。菅政権は、様々な訴訟の原告の個人情報が民間の 利活用のために提供されていないか、直ちに調査するべきです。その調査が終了するまで、 デジタル監視6法案の審議を中止すべきです。

 

民間による個人情報の利活用の促進

デジタル監視6法案の狙いは、大きく言えば三つです。第1の狙いは、首相をトップとする強力な権限を持つデジタル庁をつくり、省庁の壁をこわし、情報システムを統合する、 これに自治体のシステムを連動させる、ことです。第2の狙いは、現在、民間を対象とする個人情報保護法、行政を対象とする行政機関個人情報保護法、独立行政法人を対象とする独立行政法人等個人情報保護法の三つに分かれている個人情報保護法制を、民間を対象 とする個人情報保護法のもとに統合するとともに、自治体の個人情報保護条例もそれにとりこみ、国による個人情報の一元的管理への道を開こうとしていることです。

この個人情報保護法制の統合の大きな目的は、民間への行政、自治体のもつ個人情報の ビッグデータとしての提供です。

 

ビックデータの本格的活用へ

そもそも、日本の個人情報保護法制は個人情報の民間による利活用を優先しています。 今回の個人情報保護法制の統合で、民間による個人情報の利活用はさらに強められます。 民間にとって、行政や自治体のもつ市民の個人情報の利用は莫大な利益をうみます。すぐ、 民間が市民の個人情報を行政や自治体から取得することはできません。まずは、個人が特定できないように氏名や生年月日などを削除して、ビックデータとして民間に提供しようとしています。

防衛省の基地訴訟原告団の個人情報の提供問題の重大性は、この個人情報保護法制の統合による民間へのビックデータ提供の先取りとしてあるからです。ビックデータは氏名などの個人を特定する情報を削除するため、本人を特定する元の情報に戻すことはできないとされていますが、そのようなことはありません。

 

番号による市民の管理、国民総背番号制をねらう

デジタル監視6法案の第3の狙いは、国民総背番号制への道をひらこうとしていること です。国民総背番号制とは市民一人一人に番号をつけ、それに様々な個人情報を紐づけ、 市民を管理する方法です。マイナンバー制度は国民総背番号制を意図してつくられました が、対象が税、社会保障、災害などに限定されてきたため、その機能を発揮できませんで した。ところが、菅政権は、一挙にその対象を銀行口座、保険証、運転免許証などへ拡大 するとともに、2022 年末までに全市民にマイナンバーカードを持たせようとしています。 文字通り、市民の個人情報をマイナンバーを軸に管理するシステムをつくりあげようとしているのです。マイナンバー制度を軸にしつつ個人情報が紐づけられ、そのもとで官民の 個人情報が一元的に管理されるシステムがつくられるならば、市民監視・管理社会化が一 挙にすすむことは疑いありません。

 

本人同意なき個人情報の利活用に反対を!

日本の個人情報保護法は、民間が個人情報を取得し、利活用する際に本人から同意をとることを前提としていません。本人からの同意を必要とするのは、民間企業が第三者に譲 渡するときなどに限定されています。この点、世界の個人情報保護法制に大きな影響力をもつ GDPR(EU 一般データ保護規則)は、企業などによる個人情報の取得の段階から本 人からの同意を取ることを求め、自己情報コントロール権を原則としています。日本でも 本人同意原則・自己情報コントロール権の確立が求められています。

デジタル監視6法案は国民総背番号制と国による個人情報の一元的管理をねらう悪法です。私たちのプライバシー、個人情報を守るため、同法案に反対します。

 

 

デジタル監視6法案反対市民団体共同声明(共謀罪NO!実行委員会ホームページ)

デジタル監視6法案反対市民団体共同声明 賛同のお願い
参議院内閣委員会でデジタル監視法案の審議が進んで います。与党は5月中旬にも委員会採決へ突き進もうとしています。 こうした情勢を踏まえ、デジタル監視6法案に反対する市民団体共同声明をだすことになりました。 ぜひ、この市民団体共同声明にご協力ください。賛同の締切は5月4日です。

*PDFファイルでダウンロードできます

 

 

[参考リンク]

 

法案経過と全文

・デジタル社会形成基本法案

https://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/gian/204/meisai/m204080204026.htm

・デジタル社会の形成を図るための関係法律の整備に関する法律案

https://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/gian/204/meisai/m204080204028.htm

・デジタル庁設置法案

https://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/gian/204/meisai/m204080204027.htm

・公的給付の支給等の迅速かつ確実な実施のための預貯金口座の登録等に関する法律案

公的給付の支給等の迅速かつ確実な実施のための預貯金口座の登録等に関する法律案:参議院

・預貯金者の意思に基づく個人番号の利用による預貯金口座の管理等に関する法律案

預貯金者の意思に基づく個人番号の利用による預貯金口座の管理等に関する法律案:参議院

・地方公共団体情報システムの標準化に関する法律案

https://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/gian/204/meisai/m204080204031.htm

 

デジタル改革関連法案について

https://www.google.com/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=&ved=2ahUKEwjL-fGO0qfwAhVbUd4KHZpYDUYQFjABegQIAxAD&url=https%3A%2F%2Fwww.kantei.go.jp%2Fjp%2Fsingi%2Fit2%2Fsenmon_bunka%2Fdejigaba%2Fdai14%2Fsiryou1.pdf&usg=AOvVaw3UDEOW7ZHYauUD-4hSrdrD

内閣官房IT総合戦略室 デジタル改革関連法案準備室 総務省自治行政局

 

2021年4月6日衆議院本会議(録画)

衆議院インターネット審議中継

 

デジタル改革関連6法案について慎重審議を求める会長声明(日本弁護士連合会)

日本弁護士連合会:デジタル改革関連6法案について慎重審議を求める会長声明
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